中国では、昔からこの世に存在する万物はすべて陰と陽に分けられると言われてきました。
一般的に、男性は「陽」であるとされるにのに対して、女性は「陰」であるとされています。わたしたちが普段食べている食材にも、すべて陰陽に区分されています。
冷え性を改善するには、陰よりも陽の食材を積極的に摂るように心がけるとよいと言われています。
女性に多く見られる冷え性では、それにともなって生理不順や肩コリ・腰痛・心身の疲労など、陰の「寒・静止・暗・低」の状態に相当します。反対に陽は、「熱・活発・明・高」などを表しています。つまり、陰陽のバランスが極端にかたよっているのが、冷え性の状態ということになります。
東洋医学では、「腎」(じん)という言葉があります。腎とは、腎臓のことをあらわしています。腎臓の位置は、腰の骨よりも少し上の部分で、背骨が交わる部分のところにあります。体に疲労を感じて足・腰・肩などがだるく感じられるときは、腎臓が弱っていることが多く、腎臓が弱ると、体内の老廃物である尿の排出が滞ります。
体内に余分な水分がたまると、当然体が冷えてしまいます。「腎」とは、生命力の源を意味しています。昔から、肝腎要とよく言われていますが、冷え性ともっとも関わりのある臓器と言ってもいいでしょう。
冷え性は、東洋医学では、「陽気の衰え」ととらえて、陰陽のバランスが大事であると説かれています。
東洋医学では、気・水・血が人間の健康を支える三大重要要素とされています。気・水・血、この3つの働きがよく、バランスよく満ち足りた状態で滞りがないときが健康な状態であるとみなされます。気・水・血のいずれか1つが不足しても、冷え性になります。